芥川賞とはどのような賞?
芥川賞と俗によく呼ばれていますが、豆知識として正しくは「芥川龍之介賞」と言います。芥川龍之介は日本を代表する作家なので、名前だけなら聞いたことのある人がほとんどでしょう。純文学の名作を数多く残している作家で、芥川賞は純文学作品の中から選ばれる傾向が見られます。
直木賞とはどのような賞?
直木賞も芥川賞同様俗称で、正式名称は「直木三十五賞」です。直木三十五も日本を代表する小説家でした。そのほかにも映画監督や脚本家としても活躍していて、現代のマルチタレント的な人でした。
直木三十五はいわゆる大衆小説に分類されるような作品を中心に残しました。このため、直木賞は大衆小説的な作品が選考対象となる傾向が見受けられます。
芥川賞と直木賞の違いはどこにある?
毎年ニュースなどでも話題になる芥川賞と直木賞は文学の賞である点は一緒ですが、細かく見るといくつか違いが見られます。
作風
まず先ほども見たように芥川賞は純文学で、直木賞は大衆小説が対象になります。
キャリア
また作家のキャリアにも違いが見られます。芥川賞は新人作家のような若手の無名でこれから出てくるだろう人が選ばれがちです。直木賞は中堅作家の作品が受賞作品となることが多いです。
新人でいきなり直木賞をとるということは特に近年ほとんどありません。よって芥川賞と直木賞を同じタイミングでダブル受賞するケースはほぼないわけです。
ページ数
また作品の長さも両者の違いの特徴です。芥川賞は短編や中編作品が対象です。一方直木賞は長編作品も対象に含まれる傾向が見受けられます。
このようにしてみると中堅で長編作品が対象になる直木賞の方が格上のようなイメージを持つかもしれません。しかし選考基準がそもそも異なりますから、別に格の違いがないようです。
また歴史を見ると昭和10年に創設されたのは同じタイミングです。当時の文藝春秋社の社長だった菊池寛が創設したのがルーツです。芥川龍之介は巻頭作品を担当し、直木三十五は文壇のゴシップを文藝春秋に提供していました。文藝春秋の発展に多大に寄与したということで、この2人の作家を冠にした賞が作られたわけです。
選考時期や賞金の違いは?
芥川賞と直木賞の選考は同じ時期に実施されます。年に2回上半期と下半期に選考会が実施されます。例年7月と1月に行われます。中には両方の賞に候補として残ることもあります。
しかしもしいずれか一方の賞に決まった場合、もう一つの賞の選考から外されるのが慣習となっています。
ちなみに選ばれた作品の作者には、100万円の賞金とロンジンの懐中時計がもらえます。これは芥川賞、直木賞どちらも同じです。
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