お腹の中ですくすくと育っている赤ちゃんの胎動を感じながら、いざ出産するときのイメージを想像する妊婦さんも多くいるでしょう。
ドラマや映画での出産シーンでは誰しもが顔をゆがめて唸っている姿が映し出されています。その姿を見るたびに、痛そうだな、痛いのかなと考えることでしょう。
そんな中、出産に向けて知識を得たり準備をする段階で一度は耳にするのが「無痛分娩」という言葉ではないでしょうか。
無痛ということは痛みがないの?自然分娩となにが違うの?と思ったあなた。今回はその違いを教えます。
医療処置が含まれるかどうか?
赤ちゃんの出産時期が近づいてくると、どの分娩を選択すればいいか悩む妊婦さんも多いでしょう。その中でも近年希望する方の多いのが、自然分娩です。
自然分娩という考え方は、実は比較的新しい発想です。1933年にイギリスの医者が提唱したのが始まりといわれています。生理現象の一つである分娩は肉体的な痛み以外の苦痛はないという考えをベースにしています。簡単に言ってしまうと、医療処置を施すことなく、膣を通って赤ちゃんを産む手法です。
無痛分娩も膣内を赤ちゃんが通って出産するところまでは一緒です。しかし必要に応じて医療処置を実施します。例えば妊婦さんが出産するにあたって、強烈な痛みが発生した場合、麻酔を使用することでその苦痛を少しでも和らげるアプローチが自然分娩とは異なります。
ただしこの区分けはあいまいです。医療機関によってはたとえ麻酔を使用しても、経膣分娩であることに違いはないから無痛分娩も自然分娩の一種と考えるところも結構あります。
自然分娩は出産の理想?
近年妊婦さんの中には、自然分娩を希望する方も増えてきています。「きちんと自分で産みたい」「おなかを痛めて産んだ子であればしっかり愛着を持って育てられるのではないか?」という考えが根底にある人も多くみられます。
しかし自然分娩はどのようなシチュエーションでもベストで理想の方法とは言い切れません。特に双子のような多胎妊娠や逆子になっている場合、自然分娩にこだわると母体と赤ちゃんの両方のリスクを高めてしまう恐れがあります。この場合には、帝王切開で安全に赤ちゃんを産む方法をとったほうがいい場合もあります。
また自然分娩を選択しても、お産の状況で急遽帝王切開に切り替えることもありますから、この点はあらかじめ理解しておくべきです。
「無痛」分娩ではないケースも
無痛分娩といわれると、お産の時に一切痛みを感じずに済むというイメージを持つ人もいるでしょう。しかし無痛分娩とは厳密にいうと、全くの無痛ではないです。痛みをコントロールする方法で、耐えられない痛みを軽減するスタイルと思ってください。
麻酔を使用するのですが、全身ではなく局所麻酔を使用します。よって出産している最中に意識は残っていますし、中には産道を下りてくる様子をしっかり感じられたという方もいるほどです。
一方で局所麻酔を使っても効果がなかったという方も一部見られる点もあらかじめ理解しておいた方がいいです。
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