宗派が違う
南無阿弥陀仏と南妙法蓮華経という二つの言葉があります。どちらもお葬式や、お寺などで聞いたことがある人はいると思いますが、この二つの違いや使い分けられ方を考えることはないでしょう。
実はこの二つは宗派によって別れているため、親族のお葬式などで言葉を聞いたり読んだことがある人は、ここから宗派を知るきっかけになります。
南無阿弥陀仏を唱える宗派は、「浄土宗」、「浄土真宗」、「天台宗」の3つです。つまり南無阿弥陀仏が唱えたことがある人はこの3つのどれかの宗派だということです。ちなみに南無阿弥陀仏はブッダが唱えた言葉です。
南妙法蓮華経を唱える宗派は、「日蓮宗」、「日蓮正宗」の2つです。言葉は似ていても、全く宗派が異なることがわかりますね。南妙法蓮華経は日蓮が唱えた言葉です。そのため、宗派によって唱える言葉が異なっているのです。
題目と名号の違い
南無阿弥陀仏は名号とも言われます。この六字で迷いや苦しみから解き放ち、本当の幸せを与えるとされています。どれだけ幸せなことがあっても、常に心のどこかで不安や迷いはつきものです。そういった迷いを解消するための薬として南無阿弥陀仏と唱えるようにブッダは教えているのです。
南妙法蓮華経は題目と言われます。南妙法蓮華経には悪を滅ぼして善を生じるという意味がこめられています。私たちの心の中にある悪を完全に消し去ることで、人は幸せになれるというのが日蓮の考え方です。
この二つは葬式の際に唱えたり、宗派に入っている人が唱えるだけではありません。実はお墓にも文字となって刻まれています。亡くなった人が善をもって安らかに眠れるように、迷いや不安なく安らかに眠れるように意味をこめているのでしょう。
異なる二つを間違えないようにしよう
南無阿弥陀仏と南妙法蓮華経が似ていても、全く異なる宗派であることがわかりましたね。日蓮の人が南無阿弥陀仏とお葬式で唱えてしまうのはマナー違反となってしまいます。
勿論唱えてしまったからといって、宗派の人に怒られることはありません。しかしそれぞれの教えを信じている人たちがいる前ですから、配慮をしなければなりません。そのためにも、念仏だから同じと考えるのではなくそれぞれの意味を理解して、自分はどちらを唱えるのが正しいのかを覚えておきましょう。
日本では自分がどの宗派に属しているのか知らない人が多いです。先祖のお墓を見てみると、自分の宗派を知ることもできます。この機会に一度聞いてみるのもいいですね。
コメント